オフィスや店舗などの室内空間には、様々なパーテーションが設置されています。パーテーションはガラス以外に、アクリル板やポリカーボネート板も使われています。
これらのプラスチック基材には、微量の水分が残留しています。これが理由となり、プラスチックから徐々にアウトガス(気体)が表面に出てきます。
もし、プラスチック基材に一般のガラスフィルムを施工すると、基材とフィルムの間に気泡が発生する可能性があります。結果的にフィルムの膨れや剥がれの原因になり、美観を損ねてしまいます。
そこで、プラスチック基材専用のフィルム施工で気泡の問題を解決できます。
アウトガスの発生
アクリル板やポリカーボネート板に一般的なガラスフィルムを貼り付けると、プラスチック基材とフィルムの間に気泡が発生することがあります。
これは「アウトガス」と呼ばれます。
プラスチック基材とガラスフィルムの断面図

以下の組み合わせは不可
プラスチック基材に一般のガラスフィルムを施工できません。
【NG】アクリル水槽 + 一般のガラスフィルム
【NG】アクリル板 + 目隠しシート/目隠しフィルム
【NG】アクリル板 + UVカットフィルム
【NG】ポリカーボネート板 + 目隠しシート/目隠しフィルム
【NG】ポリカーボネート板 + UVカットフィルム
3MTM、プラスチック基材用透明フィルム
アウトガスの問題を解決するためには、プラスチック基材に3MTMの専用フィルムを施工します。
断面図

アクリル板やポリカーボネート板などのプラスチック基材には、プラスチック基材用の「3MTMプラスチック基材用透明フィルム」を施工します。
そして、その上から各種、建築用ガラスフィルムを施工します。
これにより、アウトガスの発生を防止し、クリアな外観が実現します。
プラスチック基材用透明フィルムの用途
アクリルパーテーション

アクリル水槽

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アクリル板+ガラスフィルムの施工方法
Step1

現場のアクリル板のサイズを測定し、予め3M(TM)プラスチック基材用フィルムSH2CL-Pをカットします。
Step2

アクリル板にカット済みの3M(TM)プラスチック基材用フィルムSH2CL-Pを施工していきます。
なお、アクリル板の保護シートを一気に剥がすと静電気が発生し、アクリル表面にホコリが付着しやすくなるため注意が必要です。
Step3

アクリル板に施工液を噴霧し、3M(TM)プラスチック基材用フィルムSH2CL-Pを施工していきます。
3M(TM)プラスチック基材用フィルムSH2CL-Pは他の建築用ガラスフィルムと比べて基材が硬質なため、肌感覚でフィルムの特徴を感じながら施工します。
Step4

フィルム施工時、アクリル板は板ガラスに比べて大幅に剛性が低いため、フィルムとアクリル板の間に施工液と空気が残りやすくなります。
対策として、時間をかけて慎重にフィルムを圧着していきます。
Step5

アクリル板に3M(TM)プラスチック基材用フィルムSH2CL-Pの施行が完了。
写真のように、フィルムとアクリル板の間の施工液と空気を完璧に取り除くと、プラスチック基材用フィルムが施工済みであると判別できません。
Step6

アクリル板に3M(TM)プラスチック基材用フィルムSH2CL-Pを施工後、その上から建築用ガラスフィルムを施工していきます。
Step7

上記写真は3M(TM)ミルキーミルキー/ファサラ(TM) ガラスフィルムSH2MAMMの施行例。
3M(TM)ミルキーミルキーの表面に微細な凹凸があるため、フィルム圧着時の作業性に難があります。フィルムの圧着時、スキージーをコントロールしながら肌感覚でベストな作業効率を探っていくコツが必要です。
当店のフィルム施工ノウハウ
何分、フィルム施工は職人的な作業のため、以下の要素により施工方法が微妙に異なります。
・施工の対象物が板ガラス? or アクリル板?
・施工するフィルムの種類
→ フィルムの種類によっては、折れが入りやすくなります。
・施工するフィルムの厚み
当店は、現場環境と施工するフィルムの種類等により、施工方法を微妙に変えながら作業しています。
施工価格
プラスチック基材用フィルムの施工価格は以下のリンク先をご参照ください。