日本の夏の風物詩と言えば「扇風機」。夏季、どこの家庭でも扇風機はMustアイテム。
そして、室内の空気循環や換気、洗濯物の部屋干しのために「サーキュレーター」も使われています。
冬季、エアコン暖房で部屋を暖めると、暖かい空気が天井にたまりがち。そこで、サーキュレーターを上手に活用すると、部屋全体を効率的に暖めることができます。
そこで、扇風機とサーキュレーターを上手に活用したいものです。
扇風機とサーキュレーターの違い、そして、使われているモーターは「ACモーター」と「DCモーター」の2種類。モーターの違いにより、電気代も異なります。
いったい、どれを選んだらいいのでしょうか?では、それぞれの特徴を解説します。
更に、夏の暑さと冬の寒さを和らげる効果的な方法もご紹介します。
扇風機
昔から愛用されている扇風機は羽根の直径が大きく、サーキュレーターより風切り音が小さい特徴があります。
メリット
・風切り音が小さい
扇風機の羽根の直径は30cm前後のタイプが多く、風切り音が小さい特徴があります。
・首振り機能が標準装備
標準装備の首振り機構で広範囲に風を送ることができます。
デメリット
・扇風機の台座がスペースを取る
扇風機の羽根はサイズが大きく、本体を安定させるためには台座が大きくなりがち。狭い部屋では、扇風機本体のサイズが気になります。
ACモーター
従来型の扇風機には、ACモーターが内蔵されています。(ACは交流)
家庭用AC100V(50/60Hz)電源で交流のACモーターを回す構造。
風量の調整は「微弱、弱、中、強」の4段階、または「 弱、中、強 」の3段階の扇風機を多く見かけます。
デメリット
・ACモーター内蔵の扇風機はDCモーターより消費電力が大きい。
・DCモーター内蔵の扇風機のような微弱運転ができない。
DCモーター
DCモーター内蔵の扇風機はきめ細かな風量調節ができる特徴があります。(DCは直流)
DCモーターは消費電力が小さく、電気代を節約できるメリットがあります。
ただ、そもそも扇風機は消費電力が小さい家電製品。DCモーター内蔵モデルで節電できても、本体価格が高いと差額分の元を取るのは難しい、または不可能でしょう。
DCモーター内蔵モデルは微弱運転ができるため、寝室での使用に向いています。
デメリット
・本体価格が高い。
・風量を増やすとモーターノイズが大きくなるモデルあり。
サーキュレーター
サーキュレーターは扇風機より羽根の直径が小さく、風を直線的に飛ばす特徴があります。
メリット
・本体サイズがコンパクト
脱衣室やランドリールームなどの狭い場所でも、サーキュレーターなら設置場所に困ることはありません。
・上下左右の首振り機能
サーキュレーターのモデルによっては、上下左右の首振り機能が内蔵されています。
これは、部屋の空気を撹拌させたい時や洗濯物干しに便利な機能です。
冬季、エアコン暖房で部屋を暖めると、暖かい空気が天井にたまりがち。そこで、サーキュレーターを上手に活用すると、部屋全体を効果的に暖めることができます。同時に節電効果も得られます。
デメリット
・強風モードで音が出る。
扇風機と同等の風量を確保するためには、サーキュレーターの羽根を高回転で回す必要があります。
よって、高回転でサーキュレーターを回すと、サーキュレーターの羽根から風切り音が出やすく、モーター音も気になります。
サーキュレーターの購入時、店舗でスイッチを強風モードに切り替えて、どの程度の音が出るのか確認をおすすめします。
ACモーター
扇風機と同様、サーキュレーターのベーシックモデルにはACモーターが内蔵されています。風量は「弱、中、強」の3段階に変更できるモデルを多く見かけます。
デメリット
・ACモーター内蔵のサーキュレーターはDCモーターより消費電力が大きい。
・DCモーター内蔵のサーキュレーターのような微弱運転ができない。
DCモーター
DCモーター内蔵のサーキュレーターはきめ細かな風量調節ができる特徴があります。また、DCモーターは消費電力が小さく、電気代を節約できるメリットもあります。
ただ、そもそもサーキュレーターは扇風機と同様、消費電力が小さい家電製品。DCモーター内蔵モデルで節電できても、本体価格が高いと差額分の元を取るのは難しい、あるいは不可能でしょう。
デメリット
・本体価格が高い。
・風量を増やすとモーターノイズが大きくなるモデルあり。
ACモーター&DCモーターの電気代比較
電力量料金
電力量料金は以下とします。
電力量料金 | 120kWh超、300kWh以下 | 25.51円(税込)/kWh |
扇風機の消費電力を比較
ACモーターとDCモーター採用の扇風機の消費電力を比較します。以下は、扇風機の平均的な消費電力です。
モーターの種類 | 風量 | 消費電力 |
ACモーター | 強 | 43W |
DCモーター | 強 | 19W |
ACモーターとDCモーター採用の扇風機の消費電力を比較すると、大雑把に2倍の差があります。
扇風機の電気代を比較
電力量料金は以下の計算式で算出できます。
消費電力(W)×1/1,000×電力量料金(円/kWh)=1時間あたりの電気代
モーターの 種類 | 計算式 | 1時間あたりの 電気代(税込) |
ACモーター | 43W×1/1,000×31≒1.33円 | 約1.33円 |
DCモーター | 19W×1/1,000×31≒0.58円 | 約0.58円 |
※1kWhあたり31円で計算。
以上の計算結果から、
ACモーターの電気代
ACモーター搭載の扇風機を風量「強」で1時間運転した電気代は「約1.33円」
→ 1日12時間の運転で電気代は約15.96円
DCモーターの電気代
DCモーター搭載の扇風機を風量「強」で1時間運転した電気代は「約0.58円」
→ 1日12時間の運転で電気代は約6.96円
ACモーターの電気代はDCモーターの約2倍。
ACモーターとDCモーターの電気代の差が約2倍ともなると、DCモーターに心が傾くかもしれません。ところが、DCモーター内蔵の扇風機とサーキュレーターの本体価格はAC内蔵モデルより高額になります。
そもそも、扇風機とサーキュレーターの電気代は家庭用エアコンに比べたら桁違いに安いのです。
ACモーターとDCモーターのどっち?
扇風機やサーキュレーターがどの部屋でどのように使われるかによって選び方が変わってきます。
1日中、「強」運転の場合
朝から夜まで、扇風機やサーキュレーターの「強」運転が続く場合、耐用年数が10年としますと「DCモーター」がマッチするでしょう。
リビングで補助的に使う場合
エアコン冷房と暖房がメインで扇風機やサーキュレーターを補助的に使うとします。
エアコンの設定温度を適正温度にセットして、補助的に扇風機やサーキュレーターを「弱」や「中」モードを使えば節電に繋がります。
このようなシーンでは計算が難しく、ACモーターとDCモーターの選択はお好みでどうぞとなります。
寝室で使う場合
寝室で扇風機やサーキュレーターを使う場合、微弱運転ができる静かな「DCモーター」がおすすめです。
扇風機&サーキュレーターのまとめ
狭い部屋で送風ファンを使う場合、場所を取らないサーキュレーターが便利。
しかし、サーキュレーターは羽根が小さいため、モーターを高回転で回して風量を確保する構造。よって、サーキュレーターは羽根の回転数によって、風切り音とモーター音が出るデメリットがあります。
その点、扇風機でも問題無く洗濯物を乾かすことができますし、エアコンと併用して室内の空気を循環させることもできます。
扇風機(おすすめ)
扇風機は作動音が静かでリビングからキッチン、子供部屋まで用途が幅広いのが特徴です。1cmでも羽根が大きい扇風機の方が低回転で十分な風量を確保できます。
モーターの種類は「ACモーター」で必要十分。価格も安いです。
なお、寝室で扇風機を使うならば、微弱運転が可能なDCモーターモデルの方が適しています。あと、風量を「強」にして使用することが多いならば、DCモーターモデルがおすすめです。
店舗でのチェックポイント
扇風機を購入する際、通販ではなく店舗購入がおすすめ。
店舗で気になる扇風機の風量スイッチを切り替えながら、羽根の風切り音をチェックします。同時に、扇風機の振動もチェックします。
安価な扇風機の中には、羽根の回転バランスが良くない製品があり、微振動が発生します。
サーキュレーター
サーキュレーターは脱衣室やランドリールームなどで便利。また、風を直線的に遠くへ送る必要があり、運転音が問題にならない用途に向いています。
また、冬季の暖房中、サーキュレーターで空気を循環させることで、部屋全体に暖気が行き渡ります。扇風機は場所を取るため、室内の空気循環にはサーキュレーターの方がコンパクトで便利です。
モーターの種類は「ACモーター」で必要十分。価格も安いです。
店舗でのチェックポイント
扇風機と同様、サーキュレーターを購入する際、通販ではなく店舗購入がおすすめ。
Check 1
店舗で気になるサーキュレーターの風量スイッチを切り替えながら、羽の風切り音とモーター音をチェックします。
風量スイッチを「強」にして、羽根の風切り音とモーター音が気になる製品はパスした方が賢明です。
Check 2
首振り機能が搭載されているサーキュレーターを購入時、ファンがスムーズに上下左右に動くことを確認します。
Check 3
サーキュレーターに[切]タイマー機能が搭載されているモデルがおすすめです。理由として、洗濯物を部屋干しする時、[切]タイマーが必須だからです。
夏は涼しく、冬は暖かい部屋作りとは?
誰もが夏は涼しく、冬は暖かい部屋がいいに決まっています。
しかし、夏は室内が暑く、冬は室内が寒くなりがちな原因として、窓ガラスが大きく関係しています。
【夏】
夏季、太陽の日射熱が窓ガラスを通して室内に流入し、室内温度を上昇させます。窓ガラスから室内に熱が流入する割合は全体の「約70%」に達します。
夏季、エアコンの効きが良くない複数の原因の一つとして、窓ガラスが大きく関係しています。
【冬】
冬季、室内の熱が窓ガラスを通して室外へ流出し、室内温度を低下させます。 室内の熱が窓ガラスを通して屋外へ流出する割合は全体の「約60%」。
冬季、エアコン暖房や石油ファンヒーター等、暖房器具の効きが良くない複数の原因の一つとして、窓ガラスが大きく関係しています。
夏の暑さ、冬の寒さを和らげる方法
夏の暑さ、そして、冬の寒さ対策として、窓ガラスに「遮熱断熱フィルム」を施工する方法があります。
「遮熱断熱フィルム」が太陽光の日射熱を抑制し、熱貫流率が低い「遮熱断熱フィルム」が室外への室内熱の流出を抑制できます。
これにより、夏のエアコン効率が向上し、冬の暖房器具の暖房効率が向上します。これは、節電や燃料費の削減に繋がります。
夏の暑さを和らげる方法
じりじりと照り付ける夏の太陽光は眩しく暑く、室温を上昇させます。
一戸建てやマンション、タワーマンション、高層マンションの立地条件や階数によっては、太陽光の日射熱対策が必要とされます。
暑さ対策として、窓ガラスに「遮熱フィルム」を施工する方法があります。
「遮熱フィルム」が太陽光の日射熱をカットし、室温の上昇を抑制します。これにより、エアコン効率が向上するため、電気代の節約にも繋がります。
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