全館空調vs壁掛けエアコンのメリット,デメリット-おすすめは?

一戸建て住宅の全館空調 窓ガラスフィルム-ブログ

2017~2018年あたりから、住宅業界で「全館空調システム」が注目を集めています。

全館空調システムとは、専用のエアコン&換気システムが家全体を空調するシステム。

一戸建て住宅の「全館空調システム」という言葉を聞くと、何とも豪華で快適な室内空間が頭に浮かびませんか?

全館空調システムには、最新の住宅設備で先進的なイメージがあります。

他方、それに対する従来型の「壁掛けエアコン」も負けてはいません。

各エアコンメーカーは毎年のようにNewモデルを発売し、エアコンの性能は進化を続けてきました。

では、一戸建て住宅にとって、「全館空調システム」と「壁掛けエアコン」のどちらがいいのでしょうか?それぞれのメリットとデメリットを挙げて比較します。

更に、夏のエアコン冷房と冬のエアコン暖房の効率を上げて、電気代を節約する方法もご紹介します。

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全館空調システム

一戸建て住宅の全館空調

全館空調システムは屋外に設置する「室外機」と家の中に設置する「室内機」、そして家の中を縦横無尽に張り巡らされている何本もの「ダクト」で構成されています。

全館空調システムは各部屋のみならず、廊下や脱衣所、トイレなど家じゅう全てを空調できるシステム。言わば、家一軒を丸ごと空調するシステムです。

全館空調の概要

外気を室内に取り入れて冷房、除湿、暖房

各部屋へ空調された空気をダクトで送る

汚れた空気を集める(換気)

空気を熱交換後に室外へ排出

デンソー全館空調システム

全館空調のメリット、デメリット

メリット

・全ての部屋が夏は涼しく、冬は暖かい。

・24時間365日、全ての部屋の室温が一定。

・各部屋の室温に変化が無いため、体の負担が軽減。

・冬、バスルームの脱衣所でヒートショックの心配が無い。

・夏の熱中症を予防。

・開放的な間取りが可能。

・壁にエアコン室内機が無いため、室内の見た目がすっきりする。

デメリット

・初期費用が高額。(200万円~)

・メンテナンス費用が必要。

→ 業者とメンテナンス契約が必要。(約20,000円~/年)

→ 定期的なフィルター交換が必要。

・約15年毎に空調機器の入れ替えが必要。(100~200万円)

・月々の電気代が高くなる傾向。

→高い性能を持つ高気密高断熱住宅でこそ、全館空調の性能を発揮できる。

・各部屋毎の温度調節が不可。

・空調システムの故障発生時、全部屋の空調が停止する。

・ドア下の3cm前後の隙間から音漏れ、光漏れ問題がある。

・匂いが全部屋に充満しやすい。(空調の換気効果により、匂いは速やかに消える。)

・冬季、全部屋が乾燥する。(大空間用の加湿器が必須)

全館空調の懸念点

全館空調システムは大きなメリットがある反面、無視できないデメリットもあります。それは、全館空調システムが故障すると、全部屋の空調が停止してしまいます。

冬季

もし冬季、全館空調のエアコン暖房が故障でダウンした場合、厚着したり石油ファンヒーターなどで暖を取ることができます。石油ファンヒーターは家電量販店やホームセンターで入手できます。

しかし、問題は夏。

夏季

日本の夏季、30℃以上の真夏日の記録が夏の風物詩と化し、35℃以上の猛暑日の連続を記録する地域もあります。中には、40℃超を記録する地域もあります。

ここまで暑い日本の夏において、全館空調のエアコン冷房が故障でダウンした場合、代替手段が無いのです。

いくら扇風機のスイッチを「強」にしたところで、室温を下げることはできません。これによる、熱中症のリスクがあります。

定期交換が基本

全館空調システムは機器が故障して、慌てて修理や交換するのではなく、10~13年を目安に定期交換すべき機器と言えます。空調システムが24時間、稼働状態であれば、当然、機器が劣化していきます。

自動車の予防整備のように、故障してからパーツ交換するのではなく、使用年数とパーツの劣化具合を勘案して早めにパーツ交換するのです。

あるいは、いつ故障するか未知数の古い車から次の車に買い替えるのです。

全館空調システムは、壁掛けエアコンとは異なるメンテナンスと管理が必要です。

全館空調システムが向いている方

・1年を通して、全室で快適に暮らしたい。

・親と同居で親のヒートショックが心配な方。

・機器への投資とメンテナンス費用が気にならない。

・月々の電気代があまり気にならない。

小屋裏エアコン

近年、一部の工務店が「小屋裏エアコン」と呼ばれる空調システムを家に組み込んで設計、施工しています。

この空調システムは、一戸建て住宅2階の屋根裏に小さな空間を作り、そこに市販のエアコンを設置します。小屋裏から各部屋にダクトを設置することで、全館空調のような空調システムが実現します。

このようなシステムは木造の高気密高断熱住宅が前提となるものの、工務店の業界で注目を集めている空調システム。

メリット

小屋裏エアコンのメリットとして、小屋裏に市販のエアコンを設置するため、将来的なメンテナンス費用を抑えることができます。

また、10~15年後にエアコンを買い替える際のイニシャルコストを低減できます。

デメリット

しかし、在来工法の小屋裏エアコンの設計は難易度が高いと言われ、全国的に小屋裏エアコンシステムの設計に長けている工務店は少数派のようです。

今後、小屋裏エアコンは益々注目を集めていく空調システムかもしれません。

壁掛けエアコン

エアコン

三菱電機ルームエアコン霧ヶ峰、夏編

三菱電機ルームエアコン霧ヶ峰、冬編

壁掛けエアコンのメリット、デメリット

メリット

・イニシャルコストが高額ではない。(1台、15万円前後)

→ 延べ床面積が30坪の家に壁掛けエアコンを2台設置して、15万円×2台=30万円。

・フィルター掃除のメンテナンスが簡単で業者不要。

・各部屋毎に温度調節ができる。

・エアコン入れ替え時の費用が高額ではない。

→ 1度に全てのエアコンを入れ替えなくていい。

・エアコンの入れ替え時、最新機種は性能と機能が向上していて節電効果が高い。

デメリット

・廊下やトイレ、バスルーム、脱衣所の空調ができない or 難しい。

・冬季、脱衣所に別途、暖房器具を置いて要ヒートショック対策。

・エアコン室内機がカビの影響を受けやすい。

→エアコンクリーニングが必要となる。

・家の周囲に複数台の室外機が並んでしまう。

・壁の室内機がインテリアの邪魔をする。

壁掛けエアコンが向いている方

・各部屋毎に室温調整したい。

・エアコンの初期投資と入れ替え費用を抑えたい。

・メンテナンスコストを抑えたい。

・電気代を抑えたい。

・エアコンの買い替え時、最新機種へアップデートしたい。

全館空調システムvs壁掛けエアコンのどっち?

エアコン

当ブログの管理人の持論として、経済的に余裕のある方以外は「市販の壁掛けエアコン」をおすすめします。

空調機器は必須の住宅設備のため、イニシャルコストとランニングコスト、メンテナンス、入れ替え時のコストを計算に入れて、慎重に検討する必要がある設備。

確実に言える事として、空調機器は機械と電子機器を組み合わせた工業製品である以上、将来いつか必ず故障します。

空調機器は毎年のように進化し、10年前と今の機器を比較すると、最新モデルは明らかに性能が高く、節電効果も高くなっています。

コスパが高い壁掛けエアコン

電気店で購入できる「壁掛けエアコン」は市場の需要が多く、国内の年間出荷台数は900万台を超えています。エアコンは量産効果により品質が高く、価格がこなれています。

また、町の電気店の店主は数えきれないほどエアコンの設置工事をこなしているため、エアコン工事は手慣れた仕事。エアコンが不調に陥った場合、町の電気店が速やかに対応してくれます。

費用対効果を考えると、壁掛けエアコンは非常にコスパが高い家電製品です。

維持費が高い全館空調システム

対する「全館空調システム」の需要は壁掛けエアコンほど多くはありません。これが理由で、量産効果が出にくくなるのは致し方ありません。よって、全館空調システムの割高感は否めません。

もし、全館空調システムにトラブルが発生した場合、町の電気店ではなく、全館空調の専門業者に駆けつけてもらう必要があります。

また、将来的に補修部品が入手できない、あるいはメーカーが製造を中止してしまう可能性も視野に入れておく必要があります。

全館空調と壁掛けエアコンの比較で迷いがあるならば、管理人が総合的に勘案すると「壁掛けエアコン」に軍配が上がると思います。

なお、壁掛けエアコンを使用する以上、冬季はバスルームの脱衣所に別途、暖房器具を置いてヒートショックに気を付けたいものです。

小屋裏エアコン

小屋裏エアコンシステムを設計できる工務店は少数派ながら、将来的に注目を集めていく空調システムかもしれません。

家づくりを考えている子育て世代は、小屋裏エアコンも空調システムの選択肢に入れておいてもいいかもしれません。

まとめ

全館空調システムを導入する際、壁掛けエアコンに比べて機器が高額でメンテナンス費用も発生します。反面、24時間365日、全室の空調が効いていて、快適な室内環境が実現します。

対する、壁掛けエアコンの場合、廊下やバスルーム、トイレなどの空調が難しくなります。その反面、初期投資が高額ではなく、メンテナンス費用はほとんど不要、入れ替え時も高額ではない経済的なメリットがあります。

夏は猛暑日の連続を記録する日本において、空調機器は必須の住宅設備。全館空調と壁掛けエアコンはそれぞれメリットとデメリットがあります。

空調機器の使いやすさとイニシャルコスト、ランニングコスト、メンテナンスコスト、そして、空調機器の入れ替え時のコストを総合的に勘案して、どちらがライフスタイルにマッチするのか慎重な検討が必要です。

夏の暑さ、冬の寒さ対策は「窓」次第

マンションや一戸建て住宅、商業ビルの最大の弱点は「窓」。

「窓」は壁より断熱性能が低く、それが理由で夏は室内を暖め、冬は室内を冷やしてしまいます。

夏の暑さの約70%は窓が原因

夏季、暑い外気熱が室内に流入

冬の寒さの約60%は窓が原因

冬季、暖かい室内の熱が窓ガラスを通して室外へ流出

暑さ約70%、寒さの約70%は窓が原因。何はさておき「窓」を強化することで、快適な室内空間を整えることができます。

「窓」を強化するキーワードは「遮熱」と「断熱」です。

遮熱フィルムで暑さ対策

太陽光の日射熱が窓ガラスを通して室内に流入します。

日射熱が部屋を暖めるため、エアコンの負荷が高まります。これにより、エアコンの消費電力が高い状態が続き、電気代を押し上げます。

そこで対策として、窓ガラスに「遮熱フィルム」を施工します。ガラスフィルムの遮熱効果によりエアコンの負荷が低減され、電気代の節約に繋がります。

詳細は関連記事をご参照ください。

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遮熱断熱フィルムで寒さ対策

冬、エアコン暖房などの暖房器具で暖められた室内の熱が窓から室外へどんどん逃げていきます。イメージとしてはこちら。

急須と茶碗

【急須】エアコン等の暖房器具

【茶碗】建物

【茶碗のひび割れ】窓ガラス

エアコン暖房等で部屋を暖めても、熱が窓から外へどんどん逃げてしまっているのです。

そこで対策として、窓ガラスに「遮熱断熱フィルム」を施工します。

熱貫流率(U値)が低い遮熱断熱フィルムを選ぶことで、暖められた室内の熱が外へ逃げにくくなります。室内が暖かく、エアコンの負荷が減少してエアコン効率が向上します。

これは、電気代の節約にも繋がります。

詳細は関連記事をご参照ください。

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