樹脂サッシ,アルミ樹脂複合サッシ,木製サッシの断熱性能の違い

樹脂サッシ 窓ガラスフィルム-ブログ

マンションから一戸建て住宅、ビルまで、建築物には必ず窓が設置されています。

窓はガラスとサッシの組み合わせ。

そして、今も昔も建築物の最大の弱点は「窓」。

窓ガラスが1枚、2枚、3枚なのか、そして、窓枠はアルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシなのかによって断熱性能が大きく異なります。

では、素材による性能の違いと、サッシの種類による断熱性能の違い、そして、住居の夏の暑さと冬の寒さ対策を解説します。

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素材の熱伝導率

aluminum/アルミニウム
Aluminum/アルミニウム

素材の種類により、熱伝導率が大きく異なります。

熱伝導率とは、物質の熱伝導のしやすさの程度を表す量。

熱伝導率の単位は「W/m・K」で表示され、1時間&1m2あたりの素材が通す熱量を意味します。数値が小さいほど、熱を通しにくくなります。

素材熱伝導率
(W/m・K)
アルミニウム236
ガラス1
樹脂0.2
0.15
空気0.0241

アルミニウム

(熱を通しやすい)

【熱伝導】

(熱を通しにくい)

空気

上記の素材の中で、アルミニウムは非常に熱を通しやすい性質を持ち、木に対して1,500倍も熱を通す素材。

身近な例として、キッチンで使うアルミ製フライパンは熱が入りやすく、放熱が早い特徴があります。要は、アルミは熱しやすく、冷めやすい金属。

そして、樹脂や木、空気は熱を通しにくい性質を持ちます。

木の熱伝導率は「0.15W/m・K」のため、木はとても熱を通しにくい素材。なぜ木で家を建てるのか、その理由を再確認できます。

熱伝導率が低い樹脂や木、そして空気を組み合わせることで、窓の性能を上げることができます。窓の性能を上げることで、夏は涼しく、冬は暖かい窓に近づいていきます。

窓ガラスとサッシの組み合わせによる断熱性能の違い

窓の性能は熱貫流率(U値)で表示され、単位はW/m2・K。数値が小さい窓ほど、断熱性能が高くなります。

熱貫流率(U値)とは、室内外の温度差による熱の逃げやすさを表す指標。数値が小さいほど断熱効果が高く、冬場の省エネ効果が高くなります。

熱貫流率(U値)は、室内外の温度差が1℃あり、1m2あたり1時間に通過する熱量を表す数値。

窓の種類熱貫流率
(U値)
(W/m2・K)
単板ガラス+アルミサッシ6.51
ペアガラス+アルミサッシ4.65
Low-E複層ガラス+樹脂サッシ
(YKK AP APW330)
・樹脂スペーサー仕様
・アルゴンガス入り
1.31
トリプルガラス+樹脂サッシ
(YKK AP APW430)
・樹脂スペーサー仕様
・アルゴンガス入り
0.90
木製サッシ1.4

※YKK AP APW330、APW430以外の各窓の熱貫流率(U値)は参考値です。

3mm厚フロートガラス(普通の窓ガラス)1枚の熱貫流率は6.0W/m2・K。このガラスにアルミサッシを組み合わせると熱貫流率は6.51W/m2・Kとなり 、窓全体の断熱性能が更に低下します。

それに対して、アルミサッシより樹脂サッシや木製サッシの方が断熱性能が高くなります。

そして、

単板ガラスより

ペアガラス

トリプルガラスの順で窓全体の断熱性能が高まります。

更に、複層ガラスのガラスとガラスの間に設置するスペーサーはアルミより樹脂スペーサーの方が断熱性能が高くなります。

次に、見かけることが少ない木製サッシのメリットとデメリット、そして、木製サッシについて深掘りしてみます。

木製サッシのメリット,デメリット

木製サッシのメリットとデメリット

今日の住宅の窓は大きく「樹脂サッシ」「アルミ樹脂複合サッシ」「木製サッシ」の3種類。日本国内で木製サッシを採用している家は少数派です。

ここでマイナーと表現しては失礼ながら、一部の一戸建て住宅に採用されている木製サッシのメリットとデメリットを考えてみます。

メリット

メリット

・木ならではの高い質感

窓が持つ機能は「採光、通風、眺望」の3つ。

そして、窓は景色を切り取る住宅設備でもあります。室内から木製サッシ越しに眺める景色は、あたかも木製額縁付きの絵を眺めるような印象を受けます。

・断熱性能が高い

木の熱伝導率は「0.15」と樹脂よりも低く、高い断熱性が特徴です。

・大開口の窓が可能

樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシのサイズは規格化されています。その点、木製サッシはサイズの自由度が高い特徴があります。

デメリット

デメリット

・漏水リスク有り

木製サッシの設置時、漏水しない納まり施工が重要課題となります。また、木製サッシが雨と日射の影響を受けにくくするために、建物に軒と庇が必須となります。

・変形による気密性の低下

木は諸条件により膨張と収縮を繰り返すため、変形を避けることができません。

・塗装メンテナンスが必須

木は膨張と収縮を繰り返すため塗装の劣化が早く、毎年、あるいは、2年毎の塗装が必要です。

・高価

木製サッシを考察

木製サッシ

欧州では、古くから住宅に木製サッシが採用されています。木製サッシの高い断熱性能は広く知られています。

ここで、木製サッシのみに焦点を当てるのではなく、広義における国の気候の違いを再認識してみましょう。

欧州と日本を比較して、気候風土に大きな違いがあることを念頭に木製サッシを考える必要があります。

気候風土の違い

ユーラシア大陸の北西に位置する欧州各国は台風の影響を受けにくく、概ね、夏でも日陰に入れば涼しく、湿度が低い傾向があります。

対する日本は海に囲まれた海洋国家。日本は明確な四季があり、夏は高温多湿。夏から秋にかけて台風が日本に上陸します。

冬季、日本は西高東低の気圧配置となり、ユーラシア大陸から日本列島にかけて冷たい空気が吹き付けます。この影響により、日本海側から東北、北海道にかけて雪が降り、列島に冷たい北風が吹き荒れます。

更に、日本は雨が多い国。

このような気候の日本において、日本の住宅は雨と台風、風の影響を受けやすいのです。よって、日本の家のサッシは雨と風の影響を強く受けます。

もし、木製サッシの上部に軒や庇が無いと、サッシは雨と風の影響で劣化が進みやすくなります。よって、日本の住宅に木製サッシを設置するとなると、高いレベルの住宅設計と施工が必要になります。

そして、木製サッシは定期的なメンテナンスが必要なため、木製サッシの特性を十分理解した上で検討すべきサッシと言えます。

日本の家の窓は韓国や中国の家の窓より低性能

日本の家の窓は韓国や中国の家の窓より低性能

海外から日本を見ると「先端技術の先進国」というイメージがあります。基幹産業である自動車を筆頭に、世界中で日本の工業製品が使われています。

ところが、建築物の「窓」に焦点を当てると、日本の家の「窓」の性能は欧米と韓国、中国を含めても最下位クラスなのです。

ここで、まさかと思うのではないでしょうか?

日本の一流の建築士でしたら、この事実を100も承知しています。

「窓」の断熱性能は熱貫流率(U値)という値で表し、単位はW/m2・K。このU値が小さいほど、断熱性能が高くなります。一例として、

・単板ガラス+アルミサッシのU値は「6.51」。

・ペアガラス+アルミサッシのU値は「4.65」。

・YKK APのペアガラス+樹脂サッシ(APW330)のU値は「1.31」。

世界各国の窓の最低基準

世界各国では、窓の最低基準となる性能が設定されています。

・ドイツではU値「1.3以下」

・イギリスではU値「1.8以下」

・フランスではU値「2.1以下」

・韓国ではU値「2.7以下」(1.6以下推奨)

各国では、これらのU値より低性能の窓は販売できません。

しかし、日本には以上のような最低基準が存在しないのです

経済産業省が定める窓ラベル

経済産業省が定める「窓ラベル」は次のとおりです。

熱貫流率(U値)等級記号断熱性能
2.33W/m2K以下★★★★高い
2.33超、3.49W/m2K以下★★★☆
3.49超、4.65W/m2K以下★★☆☆
4.65W/m2K超★☆☆☆低い

上の表によりますと、等級記号が★★★★の窓の性能は「2.33W/m2・K以下」。一見、★が4つも並んでいて高性能に見えるものの、この性能は欧州の基準より低いのです。

家の最大の弱点は「窓」。

日本の家の断熱性能は欧州と韓国、中国の中で最低レベルなのです。

この理由で、日本の家は夏は暑く、冬は寒いのです。特に、2000年以前に新築された家の多くはこの傾向が強くなります。

夏の暑さの70%、冬の寒さの60%は”窓”が原因

夏の暑さの約70%は窓が原因

夏季、暑い外気熱が室内に流入

冬の寒さの約60%は窓が原因

夏季、暖かい室内の熱が窓ガラスを通して室外へ流出

夏の暑さ、冬の寒さ対策

日本国内で木製サッシが設置されている建築物は少数派。

2,000年以前に新築された建物の多くは「単板ガラス+アルミサッシ」窓が設置されています。あるいは、「ペアガラス+アルミサッシ」窓が設置されています。

そして、高気密高断熱の住宅の多くは「ペアガラス+樹脂サッシ」や「ペアガラス+アルミ樹脂複合サッシ」が設置されています。

夏の暑さと冬の寒さを和らげる対策の中で2つ挙げてみます。

窓とサッシを交換

ペアガラス、複層ガラス

今、家に設置されている窓とサッシを丸ごと高性能な窓に交換することで、家の断熱性能が上がります。今より夏は涼しく、冬は暖かくなります。

ここで、「それは大ごと・・」と思われることでしょう。少しだけ、お付き合いください。

「単板ガラス+アルミサッシ」から

「ペアガラス+樹脂サッシ」や「ペアガラス+アルミ樹脂複合サッシ」

に交換することで、家の断熱性能を上げることができます。

しかし、窓を丸ごと交換するには、2つの大きな壁が立ちはだかっています。

リフォーム工事費

仮に、延べ床面積が30坪の一戸建て住宅の全ての窓を高性能タイプへ全交換するとします。

この場合、壁の一部を壊す工事が必要となることもあり、大雑把に数百万円のリフォーム工事費が必要です。

コストパフォーマンス

数百万円をかけて窓をリフォーム後、家の断熱性能が上がり、以前より快適で住みやすくなります。そして、月々の冷暖房費を削減できます。

しかし、月々の浮いた光熱費でリフォーム工事費を回収していくのは非常に難しくなります。

以上の2つの大きな障壁により、高性能タイプへの窓のリフォームに対して、二の足を踏む家主が大多数なのです。

そこで、もっと手軽な対策として、窓ガラスに断熱性能を上げる「ガラスフィルム」を貼る方法があります。

窓ガラスにガラスフィルムを施工

窓ガラスフィルムの種類

より低コストで家の断熱性能を上げるためには、窓ガラスにガラスフィルムの施工が効果的な方法です。

具体的には、既存の窓ガラスに「遮熱断熱フィルム」を施工することで、窓の断熱性能を上げることができます。

[窓]+ガラスフィルムで快適空間

部屋の暑さ対策

夏の暑さの約70%は窓が原因です。

具体的には、マンションの太陽光の日射熱や西日の眩しさと暑さ対策として、窓ガラスに「遮熱フィルム」を施工します。詳細は関連記事をご参照ください。

【関連記事】

部屋の寒さ対策

冬の寒さの約60%は窓が原因です。

一戸建て住宅は東西南北の外壁が全て外気に接しています。各壁に窓が設置されている以上、寒さ対策が重要です。

具体的には、東側と西側、北側の窓ガラスに「遮熱断熱フィルム」を施工します。南側の窓ガラスには、「遮熱フィルム」あるいは「遮熱断熱フィルム」を施工します。

窓の断熱性能の向上、一例

一例として、「単板ガラス+アルミサッシ」の窓に遮熱断熱フィルム(U値:4.3)を施工することで、熱貫流率(U値)が約「4.66W/m2・K」に向上します。

Before

熱貫流率
(U値)
W/m2・K
単板ガラス+アルミサッシ6.51

After

6.51×4.66×1/6≒4.66W/m2・K

熱貫流率
(U値)
W/m2・K
単板ガラス+アルミサッシ
+
遮熱断熱フィルム
約4.66

単板ガラス+アルミサッシに遮熱断熱フィルムを施工後、U値が約「4.66」に向上します。

ペアガラス+アルミサッシのU値は「4.65」前後。

つまり、単板ガラスに遮熱断熱フィルムを施工すると、「ペアガラス+アルミサッシ」レベルの断熱性能を確保できます。

詳細は関連記事をご参照ください。

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