家の中で、あの忌まわしき「ダニ」は多湿を好む害虫。
本州において、梅雨入りする6月から残暑が続く9月まではダニが増殖しやすい季節。ダニはいくつかの種類があります。
部屋の中で高い確率でダニがいる場所は、布製ソファーや布団、カーペット、ラグ等。
ダニの中でツメダニは人を刺し、皮膚のかゆみと腫れが収まるまで1週間ほどかかることがあります。
4人に1人はダニアレルギーの持ち主ということもあり、6月からダニ対策を意識する必要があります。
では、どのようなダニがいて、ダニ駆除対策、エアコンの活用、夏季のエアコンの効きを良くして節電する方法についてご紹介します。
ダニの種類
ヒョウヒダニ
1年を通して見られるヒョウダニ。布製ソファーやカーペット、寝具などに発生します。ヒョウダニは人を刺しません。
【ヒョウダニのエサ】ホコリ、フケ、あかなど
【発生しやすい室温】20~30℃
【発生しやすい湿度】60~80%
コナダニ
コナダニは高温多湿な環境を好み、食品や畳に発生します。コナダニはツメダニのエサになるため、発生を抑えることが大切です。
【コナダニのエサ】食品全般
ツメダニ
ツメダニは人を刺す忌まわしきダニ。ツメダニは布製ソファーやカーペット、寝具などに発生します。
ツメダニに刺されると皮膚に強いかゆみを感じ、赤い皮膚の炎症が収まるまで1週間ほどかかります。
蚊に刺されると、かゆみはしばらくすれば収まります。一方、ツメダニに刺されるとかゆみがなかなか収まらないのが大きな違い。
もし、1ヶ所でもツメダニに刺されたら、部屋のカーペット、布製ソファー、寝具を徹底的に手入れする必要があります。
【ツメダニのエサ】コナダニなどの他のダニ
マダニ
マダニは屋外で生息している大型のダニで肉眼で見える大きさ。
春から夏にかけて、ペットの犬や猫にマダニが食い付くことがあります。マダニは特にペットの足先に食い付く傾向があり、こまめなペットの管理が大切。
室内で飼われている愛犬が散歩中にマダニに刺され、そのまま室内に持ち込んでしまうケースがあります。マダニを媒介した感染症の危険性もあるため、十分な注意が必要です。
【マダニのエサ】血液
ダニの特徴
ダニは生命力が強く、駆除が容易ではありません。ダニは次の特徴を持っています。
・家の中のダニの数はゼロではない。
・衣類や寝具を洗濯しても、全てのダニが死ぬわけではない。
・布団を天日干ししても、全てのダニが死ぬわけではない。
・掃除機で全てのダニを吸引できない。
・ダニは高温に弱い(ダニは50℃×20分で死ぬ)
・ダニは湿度が60%以上で急増する。(ダニは乾燥に弱い)
ダニ駆除の方法とダニ抑制対策
ダニの弱点は「高温」と「乾燥」。
身近な例として、夏季、ダニが自動車のシートに発生しても、ほとんど死滅すると言われます。
・梅雨の時期、エアコンのA/CスイッチONにより、車内が除湿されます。
・夏、炎天下で駐車中の車内温度は50℃以上に達します。これが理由でダニは死んでしまいます。
・冬、空気が乾燥していて湿度が低いため、ダニは増殖しにくい環境にあります。
では、考えられるダニ駆除対策を挙げてみます。
なお、こまめな掃除機がけや拭き掃除、寝具の洗濯は清潔で健康的な生活のために欠かせないため、当ページでは割愛します。
[1]布団乾燥機
寝具のダニ駆除対策として、布団乾燥機が最も効果的であると考えられています。
布団乾燥機は50℃~70℃の温風で布団を乾かす仕組み。布団乾燥機は大きく「マットあり」と「マットなし」の2種類。
布団乾燥機には温度調節ダイヤルが付いているため、高めの温度で布団を乾燥させます。機種によってはダニモードが内蔵されています。
布団乾燥機の価格は1万円未満から2万円ほどの製品まで様々。最多価格帯は1万円前後。
【本体価格】10,000~20,000円
【電気代】1時間あたり13円前後(消費電力500W)
【ダニ駆除効果】★★★★★
[2]布団の天日干し
天気のいい日、よく住宅地で布団の天日干しが見られます。
人は睡眠中、想像以上の寝汗をかいています。当然、夏は体の発汗量が多くなります。
布団を天日干しすると、寝汗を吸収した布団が乾燥し、太陽光の紫外線による殺菌効果もあります。また、布団を天日干しすると、布団乾燥機で乾燥させるより心地よく感じます。
できれば、週に1回は布団を天日干ししたいもの。(住宅事情により、布団の天日干しが不可の場合もあります。)
ただ、布団を天日干しすると、布団表面付近のダニが布団の裏面に移動してしまうようです。
何ともすばしっこいダニながら、布団の天日干しは「布団を乾燥させて、ダニが住みにくい環境づくり」という意味では1つの対策ではないでしょうか。
【価格】0円
【ダニ駆除効果】 ★☆☆☆☆
[3]布団掃除機
一般の掃除機では布団のホコリやダニの吸引が難しく、専用の布団掃除機が活躍してくれます。
各メーカーによって、特殊ノズルや振動、UV照射等、ダニを吸引するメカニズムに違いがあります。
布団掃除機で全てのダニを吸引できるわけではないものの、ダニのフンや死骸、ハウスダストを吸引できます。実際、布団掃除機のダストボックス内に細かなハウスダストのようなゴミがたまります。
布団掃除機はダニ退治の補助として、便利な生活家電と言えるでしょう。
【価格】5,000~30,000円
【ダニ駆除効果】 ★★☆☆☆
[4]防ダニソファーカバー
布製ソファーはホコリがたまりやすくダニの温床になりやすくなります。
そこで、防ダニ加工されているソファーカバーを被せることで、ダニ対策ができます。
【価格】3,000~6,000円/枚
【ダニ発生の抑制効果】★★★☆☆
[5]布団丸ごとクリーニング
布団丸ごとクリーニングにより、ダニ駆除対策ができます。クリーニング後、敷布団や羽毛布団がふっくらと仕上がり、明らかに軽くなります。
なお、布団丸ごとクリーニングでも全てのダニが死滅するわけではないと言われています。
【価格】3,000~4,000円/枚
【ダニ駆除効果】 ★★★★☆
[6]布団圧縮袋
定番商品の布団圧縮袋。布団圧縮袋は押し入れに欠かせないグッズではないでしょうか。
布団圧縮袋に布団を入れて、掃除機で空気を吸引することで、布団が外気と接触しなくなります。布団が湿度の影響を受けにくくなり、ダニの発生を抑制できます。
【価格】250~800円/枚
【ダニ発生の抑制効果】★★★★☆
[7]ダニスプレー、ダニアース
虫ケア用品で知られているアース製薬からダニアーススプレーやダニアースが販売されています。
畳の部屋で横になっていると、どうも体がかゆく感じるならば、畳にダニが潜んでいる可能性があります。
カーペットや畳のダニ駆除にはダニアース、そして、布製ソファーや布団、ぬいぐるみ、クッションのダニ駆除にはダニアーススプレーを使います。
アース製薬のオフィシャルサイトによりますと、ダニアーススプレーを噴霧すると、ダニ増殖抑制効果が1ヶ月続くとあり、その効果が期待できます。
【価格】600~900円/本
【ダニ駆除効果】 ★★★★★
[8]ダニアースレッド
ダニ駆除対策の最後の手段は、くん煙剤でダニを根こそぎ退治できます。アース製薬のダニアースレッドなどを使用してダニを徹底的に駆除します。
アースレッドシリーズは高い効果が期待できるため、製品の使用上の注意をよく読んで使用します。押し入れやクローゼットなどの扉は全て開けておきます。
使用後は、全ての窓を開けて換気扇を回します。掃除機をかけて拭き掃除すれば完了です。
【価格】600~900円/缶
【ダニ駆除効果】★★★★★
[9]家グモはそのままに
家の中で見かける小さなクモの名前をご存知でしょうか?
家グモとも呼ばれるクモで体は1cmに満たない大きさ。家クモの色は黒と白のツートンや茶色。なかなか活発に動き回るクモ。
このクモの正式名称は「アダンソンハエトリ」。
このクモを見かけても、そのままにしましょう。なぜなら、「アダンソンハエトリ」は人間にとって益虫なのです。
「アダンソンハエトリ」のエサはダニ、ハエ、ショウジョウバエ、蚊、ゴキブリの幼虫などの小さな虫。 「アダンソンハエトリ」 は動くものに対して敏感に反応して追いかける習性があり、常に家の中をパトロールしています。
掃除機で掃除中、「アダンソンハエトリ」 がどこからともなく現れることがありませんか?そんな時、慌てることなく見守りましょう。
【ダニ駆除効果】★☆☆☆☆
[10]梅雨入りしたらエアコンで除湿
ダニの弱点は乾燥。
そこで、梅雨入りしたら、積極的にエアコンの除湿機能を使いたいもの。室内の湿度計が60%を超えたら、リモコンの[除湿]または[ドライ]ボタンをONするだけ。
性能が高い高気密高断熱住宅の場合、エアコンの設置台数は2台程度。2階のエアコンを稼働させると、除湿された涼しい空気が1階に降りてきます。これにより、家全体が除湿できて快適な空間を保つことができます。
そして、2000年前後以前に建てられた家の場合、各部屋にエアコンが設置されているケースが多いと思います。当時の家は性能的に今日の高気密高断熱住宅には及ばないものの、中にはある程度、気密性が高い家もあります。
そこそこ気密性がある家であれば、2階のエアコンの中の1台だけを稼働させることで、2階全体を除湿できます。そして、除湿された涼しい空気が1階に降りてくるため、1階も除湿できます。
ダニ対策として、家全体を乾燥させることが大切です。
【ダニ発生の抑制効果】★★★★☆
※上記”★★★★★“”★★★★☆“”★★★☆☆“”★★☆☆☆“”★☆☆☆☆“マークはあくまでイメージです。実際の効果とは異なる場合もあるためご了承ください。
夏は積極的にエアコンON
地球温暖化が叫ばれ始めて久しく、日本の夏は厳しい暑さが続きます。今や、外気温が35℃を超える猛暑日がデフォルトと化しています。
地域によっては外気温が40℃超を記録し、アスファルト路面の上は50℃以上に達します。体感的には、それ以上のサウナ状態。
毎年の夏季、日本各地で熱中症で緊急搬送される患者が続出します。
そこで、今や、エアコンは私たちの生命維持のための必須の家電。
エアコン冷房は室温を下げると同時に、湿度を下げる2つの目的があります。
エアコンの機種によっては、室温と湿度の両方を設定できるタイプもあります。湿度設定を60%以下にすることで、ダニの増殖を抑制することができます。
エアコンの効きを良くして節電する方法
ルームエアコンはリモコンで温度設定後、室内機のセンサーが室温をセンシングしながら自動でコントロールしてくれます。
冷房運転ON後、エアコンは室温が設定温度に達するまでフル稼働が続きます。
夏、建物の断熱性能が低いと、エアコンの負荷が高い状態が続きます。よって、エアコンの消費電力が高い状態が続き、電気代も比例します。
マンションや一戸建て住宅、ビルまで、建物の最大の弱点は「窓」。夏、部屋が暑い複数の原因の中で、最も大きな割合を占めているのは「窓」です。
夏
日射熱が窓ガラスを通して室内に流入します。
軒や庇が無い一戸建て住宅の場合、この傾向が強くなります。
日射熱が部屋を暖めるため、エアコンの負荷が高まります。これにより、エアコンの消費電力が高い状態が続き、電気代を押し上げます。
そこで対策として、窓ガラスに「遮熱フィルム」を施工する方法が効果的。ガラスフィルムの遮熱効果によりエアコンの負荷が低減し、明らかな節電効果が得られます。
詳細は関連記事をご参照ください。
【関連記事】
コメント