自動車の窓ガラスに遮熱カーフィルムを貼る効果-断熱フィルムは?

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自動車のガラスに貼り付けるカーフィルムは、建築用ガラスフィルムと類似した機能を持っています。一例として、カーオーナーの多くは以下の機能を持つカーフィルムを選んでいます。

・UVカット

・遮熱

・ガラス飛散防止

+

・プライバシー保護

カーフィルム関連のキーワードで検索すると、遮熱効果のあるカーフィルムを断熱フィルムと表現しているページが少なくありません。

2020年現在、当ブログの管理人の知識では、断熱効果のあるカーフィルムは存在していないはず。おそらく、カーフィルムのホームページ管理者が「遮熱」と「断熱」の意味を混同しているのでしょう。

では、遮熱と断熱の違いについて、そして、なぜ遮熱タイプのカーフィルムを選択するカーオーナーが多いのか解説します。

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遮熱と断熱の違い

遮熱と断熱

遮熱

遮熱とは、放射熱をブロックすること。

ビーチパラソルの遮熱効果

夏の海辺で見かけるビーチパラソルは「遮熱」効果があります。ビーチパラソルがギラギラと輝く日射を大幅にカットします。

その他、自動車のエンジンルームを覗き込むと、エキマニと呼ばれる排気ガスが通るパイプに遮熱板が使われています。ターボ車の場合、ターボタービン付近に遮熱板が設置されている場合があります。

遮熱板とは、熱源が発する高熱を遮蔽(しゃへい)するための板。

断熱

断熱とは、熱が伝わらないようにすること。

ダウンジャケットの断熱効果

身近な例として、ダウンジャケットや羽毛布団にダウンが入っています。水鳥の毛であるダウンは空気を多く蓄える性質があります。大量のダウンが空気の断熱層となり、寒さから体を守ってくれます。

あと、住宅の壁に使われているグラスウールなどの断熱材は外の熱が室内に伝わらないようにし、室内の熱を外へ逃がさないための建設資材です。

遮熱フィルムと断熱フィルムの違い

RANGE ROVER Sport/レンジローバースポーツにカーフィルム

フィルムの遮蔽係数と熱貫流率で判別

遮熱効果は遮蔽係数で判別

フィルムの遮熱効果は仕様の「遮蔽係数」(しゃへいけいすう)で判断できます。

遮蔽係数
3mm厚、透明フロートガラス1.00
A遮熱フィルム0.46

3mm厚、透明フロートガラスの遮蔽係数は「1.00」。この値を基準として、フィルムの遮蔽係数が「1.00」より小さいと、遮熱効果があると判断できます。

例えば、フィルムの遮蔽係数が「0.66」→「0.55」→「0.46」の順で遮熱効果が高くなります。

3mm厚、透明フロートガラスに遮蔽係数が「0.46」の遮熱フィルムを貼ると、遮熱効果は「54%」カットできます。

カーフィルムの通称、断熱フィルムは「遮熱フィルム」が正しい表現です。混同しないようにご注意ください。

断熱効果は熱貫流率で判別

フィルムの断熱効果は仕様の「熱貫流率(W/m2・K)」(ねつかんりゅうりつ)で判断できます。

熱貫流率
(W/m2・K)
3mm厚、透明フロートガラス6.0
断熱フィルム4.6

3mm厚、透明フロートガラスの熱貫流率は「6.00」。この値を基準として、フィルムの熱貫流率が「6.00」より小さいと、断熱効果があると判断できます。

例えば、フィルムの熱貫流率が「5.5」→「4.6」→「4.3」の順で断熱効果が高くなります。

3mm厚、透明フロートガラスに熱貫流率が「0.46」の断熱フィルムを貼ると、断熱効果は「34%」アップします。

※当店が取り扱っている断熱フィルムは遮熱性能を兼ね備えているため、「遮熱断熱フィルム」と表現しています。

車のガラスに遮熱フィルムを貼る理由と効果

RANGE ROVER Sport/レンジローバースポーツにカーフィルム

自動車のフロントガラス、ドアガラス、リアガラスに「遮熱タイプ」のカーフィルムを貼るオーナーがいるのは、自動車特有の問題があるからです。

自動車のキャビンは言わば、ガラス張りの空間。

車のキャビンは、一戸建て住宅のリビングなどに設置するサンルームのようなもの。サンルームは夏は暑く、冬は寒くなりがち。サンルームはガラス張りである以上、断熱性能が低くなります。

そこで、自動車のガラスに断熱フィルムを貼れば?と思うかもしれません。しかし、実際には自動車のガラスに断熱ではなく「遮熱フィルム」を貼ります。

理由1

自動車のキャビンはガラス張りのため、夏季、眩しく暑い太陽光がダイレクトに車内に入ってきます。

真夏の炎天下に駐車すると、車内は短時間で50℃以上に達します。そして、車の走行中、右折と左折を繰り返すため、360度全周から太陽光を浴びます。

このような環境下で夏は車内が暑くなりやすいため、ガラスに遮熱フィルムを貼ることで、より涼しい室内環境を整えることができるのです。

理由2

2つめの理由として、廉価グレードの軽トラックでさえ、ヒーターは標準装備。基本的に自動車のヒーターはエンジンの熱を利用します。

エンジンの冷却水は走行中、約80~90℃の熱を持っています。その熱を利用してファンを回転させ、キャビンに温風を送る仕組み。

自動車の暖房装備は構造がシンプルで低コスト、かつ暖房のランニングコストはほとんど無視できます。

自動車の暖房の効きは強力であり、外気温が-20℃や-30℃でも問題無くキャビンを暖房できます。

カーオーナーの中で自動車の暖房の効きが悪く、寒くて手がかじかんで凍えるような経験のある方は皆無なのです。

要は、自動車にとって暖房装備は構造が簡単で効きが強力、かつ暖房のランニングコストは無視できるため、ガラスに断熱性能を加える意味合いが薄いのです。

※HV/ハイブリッド車やPHV/プラグインハイブリッド車のエアコンと暖房システムは非ハイブリッド車とは異なります。

冬季、ハイブリッド車はヒーターを機能させるためにエンジンが停止する頻度が少なくなり、その分、燃費が悪化します。

※EV/電気自動車には熱源が無いため、電気で熱を作り出して暖房する仕組みです。

→将来、電気自動車が普及するのであれば、窓ガラスの断熱フィルムのニーズが高まるかもしれません。

理由3

3つめの理由として、カーフィルムの中の遮熱フィルムは紫外線を99%カットするフィルムがあります。フィルムが紫外線をカットすることで、大きく2つのメリットがあります。

肌を保護

乗員が紫外線を浴びると、肌が日焼けします。同時に、シミやシワ、たるみの原因になります。特に女性は乗車中の紫外線と肌トラブルを嫌います。

紫外線のカット率が高いカーフィルムは肌トラブルを予防してくれます。

車内を保護

青空駐車の自動車は太陽の紫外線をダイレクトに受けるため、ダッシュボードやドアの内貼り、シートの劣化が進みやすくなります。

特にダッシュボードは日射熱の影響で高熱を帯びるため、紫外線+高熱が原因で長期的には反りや割れが発生することがあります。また、シートが色褪せていきます。

カーフィルムが紫外線をカットすることで、内装品の色あせや劣化を予防できます。

まとめ

RANGE ROVER Sport/レンジローバースポーツにカーフィルム

自動車のパワートレインはハイブリッド、非ハイブリッドNA、非ハイブリッドターボ、クリーンディーゼルターボなど様々。

どの車も暖房の効きが強力なため、窓ガラスに断熱フィルムを貼るニーズはゼロとは言えないものの、少ないと考えられます。

(車中泊する方にとって、窓の断熱対策は重要のようです。)

それよりも、真夏の炎天下を走行中、暑さが乗員の体力と注意力を奪うため、暑さ対策の「遮熱フィルム」が求められます。

以上の背景から、カーフィルムの中で遮熱フィルムのニーズが圧倒的なのです。

建築物の窓に遮熱と断熱フィルムを貼る理由

窓ガラスにフィルムを施工中

ここで素朴な疑問として、なぜマンションや一戸建て住宅、ビルなどの建築物の窓ガラス用フィルムに「遮熱フィルム」と「遮熱断熱フィルム」の2種類があるのか疑問を抱くかもしれません。

建築物の場合、自動車よりも温熱環境が複雑なのです。

夏季

建築物は定位置で夏の太陽光の眩しさと日射熱、そして、西日の影響を受けます。よって、眩しさと暑さの両方を和らげることで、快適な室内環境を整えることができます。

対策として、眩しさと暑さを和らげることができる「遮熱フィルム」が使われるケースがあります。

冬季

冬季、建築物の寒さ対策として、窓の断熱性能を上げる方法が効果的です。

なぜなら、建築物の最大の弱点は「窓」のため、熱が「窓」から逃げていきます。同時に、外の冷気が窓ガラスとサッシを冷やし、室内を冷やすのです。

窓ガラスの断熱性能を上げるためには、窓に「遮熱断熱フィルム」を施工します。窓に遮熱断熱フィルムを貼ると、夏はより涼しく、冬はより暖かくなるため、1粒で2度美味しいフィルム。

以上のように、建築物の場合、建物の立地条件や構造(木造、S造、RC造、SRC造)、断熱性能、間取り、窓の位置、日当たり具合、日射取得率などの複数の条件によって、遮熱フィルムと遮熱断熱フィルムを使い分けます。

よって、建築用ガラスフィルムの選択が難しく、建築を学んでいる職人ほど適切なコンサルティングが可能です。

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