冬季、TVニュースやネットニュースで取り上げられる「ヒートショック現象」。
ヒートショック現象とは、冬季、住人が暖かいリビングなどから寒い洗面所とバスルームへ移動すると血圧と脈拍が急変し、脳卒中や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こしてしまう現象。
特に、高齢者はヒートショック現象に注意が必要です。
冬季、マンションの室内は比較的、暖かい傾向があるものの、マンションのバスルームでもヒートショック現象が起こらないとは限りません。
概ね、一戸建て住宅はマンションより冷えやすい傾向があります。
特に、2000年以前に建てられた一戸建て住宅の多くは「単板の窓ガラス+アルミサッシ」が設置されているため、断熱性能が近年の高気密高断熱住宅より劣ります。
そこで、冬季の住空間に潜む、危険なヒートショック対策について深掘りしてみます。
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ヒートショックに関連する死亡者数
消費者庁の分析調査によりますと、入浴中の急激な血圧変動などで命を落としている人数は年間、約19,000人と推計されています。
他方、2019年の警察庁のデータによりますと、全国の交通事故死者数は3,532人/年。
ヒートショックに関連する死亡者数は、交通事故死者のなんと「5倍以上」。
テレビ番組の「警察24時」で凄惨な交通事故の現場を放映し、安全運転の啓蒙活動がなされてきました。
今や「ヒートショック24時」という企画の番組を放映しても不思議ではない時代と言えます。
(参照)消費者庁消費者安全課、資料(PDF)
ヒートショック現象が起きやすい場所
![冬季、洗面所とバスルームにおけるヒートショック対策](https://www.film-work.com/wp-content/uploads/2020/09/washroom.jpg)
ヒートショック現象が起きやすい場所はこちら。
・洗面所(脱衣所)
・バスルーム
・夜のトイレ
冬季、暖房が効いているリビングやキッチン、寝室から洗面所(脱衣所)へ移動し、衣類を脱ぐことで体感温度が一気に下がります。そのまま、寒いバスルーム入ると、ヒートショック現象を引き起こすのです。
特に高齢者は夜間、トイレに行くことが多く、冷えた住宅でパジャマ姿のままでは、ヒートショック現象を引き起こす可能性が高まります。
また、冬季の冷え切った早朝、ゴミ出しなどで室内着のまま外へ出てしまうと、同様にヒートショック現象を引き起こしやすくなります。
洗面所やバスルーム、トイレの暖房
入浴時の暖房
冬季、高性能な高気密高断熱住宅であれば、エアコン暖房により洗面所とバスルームも暖まっているのではないでしょうか。
他方、断熱性能が高いとは言い難い家や2000年以前に建てられた家ならば、入浴前にヒートショック対策として、あらかじめ洗面所とバスルームを暖めておくことが大切です。
暖房器具として、セラミックファンヒーターや電気ヒーター、オイルヒーター、小型石油ファンヒーター、カセットガスストーブなどが挙げられます。
各暖房器具はそれぞれ一長一短があるため、洗面所とバスルームの広さ、ライフスタイルにマッチする製品をセレクトしたいものです。
セラミックファンヒーター
![セラミックファンヒーター](https://www.film-work.com/wp-content/uploads/2020/11/ceramic-fan-heater.jpg)
メリット
・スイッチONで即暖性が高い
・空気が汚れない
デメリット
・消費電力が大きい
電気ヒーター
![電気ストーブ](https://www.film-work.com/wp-content/uploads/2020/11/electric-stove.jpg)
メリット
・スイッチONで即暖性が高い
・空気が汚れない
・動作音が静か
デメリット
・消費電力が大きい
・空間が暖まりにくい
オイルヒーター
![オイルヒーター](https://www.film-work.com/wp-content/uploads/2020/02/oil-heater.jpg)
メリット
・安全性が高い
・やけどの心配が無い
・空気が汚れない
・動作音が静か
デメリット
・消費電力が高い
・空間が暖まるまで時間が必要
石油ファンヒーター(小型)
![石油ファンヒーター](https://www.film-work.com/wp-content/uploads/2020/02/oil-fan-heater.jpg)
メリット
・スイッチONで速暖性が高い
・消費電力が小さい
・ランニングコストが安い
デメリット
・灯油を燃焼させる以上、取り扱いに注意
・こまめな換気が必須
カセットガスストーブ
メリット
・スイッチONで即暖性が高い
・本体サイズがコンパクト
・カセットガスの交換が簡単
デメリット
・ガスを燃焼させる以上、取り扱いに注意
・こまめな換気が必須
・ランニングコストが高い
浴室換気乾燥暖房機
既存の浴室に「浴室換気乾燥暖房機」を取り付けることで、場所を取らずに暖を取ることができます。浴室換気乾燥暖房機には「天井付け型」と「壁掛け型」があります。
浴室換気乾燥暖房機の設置にはリフォーム工事が必要となり、先ほどの暖房器具よりイニシャルコストが高くなります。しかし、一般的にスペースが広いとは言い難い脱衣所のスペースを今のまま確保できるメリットがあります。
一戸建て住宅やマンションの断熱対策
冬季、一戸建て住宅の洗面所やバスルームが寒い理由として、建物の断熱性能が大きく関係しています。
実は、一戸建て住宅やマンションの弱点は今も昔も「窓」。高気密高断熱住宅が増加傾向にあるものの、床、壁、屋根、窓の中で一番、断熱性能が低い場所は「窓」。
冬季、暖められた室内の熱(遠赤外線)が窓を通して外へ流出しています。同時に、冷気にさらされている窓とサッシが室内を冷やします。
ここで、
「急須」をエアコン暖房や暖房器具、
「茶碗」を室内空間、
「茶碗」のひび割れを「窓」に例えてみます。
![急須と茶碗](https://www.film-work.com/wp-content/uploads/2020/01/green-tea-cup.jpg)
急須で茶碗にお茶をいれているのに、茶碗のひび割れからお茶がどんどん漏れています。
言い換えますと、エアコン暖房や暖房器具で部屋を暖めているのに、窓から熱がどんどん漏れ続けているのです。
「単板ガラス+アルミサッシ」の建物でも「ペアガラス」や「トリプルガラス」の建物であっても、多い少ないの違いはあれど、室内の熱が窓から外へ逃げています。
もちろん、ペアガラスやトリプルガラスにより、窓の断熱性能が上がります。しかし、それでも窓の断熱性能は床や壁、屋根のそれには及ばないのです。
ここで対策として、熱の外への流出を防ぐためには、茶碗のひび割れを塞げばいいのです。もちろん、ひび割れを100%塞ぐことはできないものの、ひび割れを少しでも塞ぐことは可能です。
遮熱断熱フィルムでヒートショック対策
具体的には、建築物の断熱性能を下げてしまう「窓」にガラスフィルムを施工する方法が効果的です。
ガラスフィルムの中で「遮熱断熱フィルム」を施工することで、確実に窓の断熱性能を上げることができます。計算上、窓の熱貫流率(単位:W/m2・K)の値が下がります。
なんとなく遮熱断熱フィルムで断熱できるのではなく、計算上、理論的に窓の断熱性能を上げることができます。
詳細は関連記事をご参照ください。
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