ガーデニングが好きな方にとって、庭付き一戸建て住宅は、まさに理想的な家。賃貸物件から庭付き一戸建て住宅へ引っ越すと、その自由度に夢が膨らみます。
庭で花や植物を育てることは、自然と間近に触れ合う楽しみの1つ。
そこで、一戸建て住宅の庭で、おすすめの植物とおすすめできない植物、そして、プライバシーを守る生垣を作る上での注意点を解説します。
庭で花や家庭菜園を楽しむ
一戸建ての庭で花や家庭菜園がおすすめ。
プランターを使って花や野菜を育てると、根はプランターの内で収まります。そして、植物の手入れが簡単。
小型のプランターならば、綺麗に咲いた花を室内に飾ることも容易。色鮮やかな暮らしを楽しむことができます。
庭に木を植えるならば低木
庭に木を植えるのであれば、1~1.5m以下の低木がおすすめ。何故なら、低木が将来的に成長しても、手入れがラクなのが理由。
低木の常緑樹の一例として、次が挙げられます。
・ヒイラギナンテン
・ツツジ
・マサキ
・アベリア
・ヤツデ
大きく成長するシンボルツリーで目隠し対策に警告!
大きく成長する樹木、即ち、成長が早い樹木は注意が必要です。
結論から言いますと、庭に大きく成長する樹木を植えない方が賢明です。なぜなら、後々、手に負えなくなるからです。
家の外構工事で、業者からシンボルツリーの植樹を提案されることがあるかもしれません。例えば、「シマトネリコ」はよく提案される木。この木の特長は次のとおり。
シマトネリコの特長
・常緑樹で1年を通して枝葉がキレイ。
・耐寒性がある。
・姿形がいい。
シマトネリコの脅威
ところが、この木の恐ろしいところは、
・高さ1~2mなら、まだ苗木レベル。
・とにかく成長が早い。(高さ2m~3mまで、あっという間)
・10m以上、15m前後まで成長する。
木造やS造(鉄骨造)の2階建て住宅の場合、基礎から屋根の一番高いところまで7~9m。 「シマトネリコ」 は家の高さの約2倍前後まで成長する可能性のある木なのです。
定期的な剪定が必須
このシマトネリコは毎年、剪定が必要な木。
それでも、シマトネリコはそれを上回るスピードで成長していきます。木の高さが3mを超えてくると、もう素人では剪定も手入れも難しく、手に負えなくなります。
もし、あなたが樹木の知識が豊富で剪定が得意であり、長い脚立に乗りながら樹木の手入れに慣れているならば、大きな心配はいらないかもしれません。
しかし、その他、大勢の方が庭に大きく成長する樹木を植えると、10年後、20年後、確実に手に負えなくなります。
植樹は将来を考えて計画的に
30代で一戸建てのマイホーム暮らしが始まったとすると、20年後の将来まで頭が回らないのが普通。
しかし、その家で生活を続ける以上、庭の植物は光合成をしながら根から水と栄養分を吸収し、成長を続けていきます。
毎年、春から木の幹と枝葉の成長が一気に進みます。それを放置していると、木はどんどん成長していきます。枝と葉もどんどん成長します。
建物の南側の木が生い茂ると、庭と建物に影を作ってしまい、1Fのリビングが暗くなってしまうケースはよくある話。
また、木の枝葉が隣家の敷地上を覆い、落ち葉や日照の問題で迷惑をかけてしまう場合もあります。
大きく成長した木の剪定問題
そこで、重い腰を上げて、大きく成長した木の枝を剪定することになります。
ところが、素人が下手に枝を選定すると、得てして不格好な木に成り下がってしまいます。また、木を強剪定すると、木の種類や季節によっては木が枯れてしまうこともあります。
しまいには手に負えなくなり、庭師に剪定を依頼せざるを得ないのです。
中には、「もう大きく成長する木はいらない」と思っていても、高さが3~4m以上に成長した木は地中に深く根を張っています。
先ほどの「シマトネリコ」は根張りが強く、素人が重い腰を上げて木を伐採しようとしても、根の除去作業は不可能なのです。
樹木を愛する叔父の呟き
当ブログ管理人の親戚に庭づくりと植物が大好きな叔父がいます。
叔父は既に高齢ということもあり、低木を除いて庭の手入れが不可能。叔父が長い脚立に登り、木の剪定なんて到底無理なのです。
子育て世代の頃は、誰もが自分の老後のことなんてイメージできません。しかし、人は誰でも年齢を重ねていきます。
人が高齢になると、長い脚立に登ること自体が危険。つまり、人が高齢になると、大きく成長した樹木の剪定が不可能になるということです。
叔父曰く、「庭に大きくなる木を植えてはいけない。本当、手入れが大変で後々、苦労する」。
庭づくりと植物をこよなく愛する人であっても、人生を重ねてくると植物に対する考え方が軌道修正されていくようです。
生垣で目隠し対策は?
一戸建ての目隠しと美しい景観を目的とした「生垣」は適度な風通しが確保され、夏は冷却効果も得られます。
綺麗に手入れされた生垣は街の景観にもプラスに作用します。植物の成長に期待して、生垣づくりを考える一戸建ての住人もいることでしょう。
しかし、共働きやライフスタイルの関係上、生垣の手入れに時間を割けないファミリーに生垣づくりは適しません。
デメリット
・生垣の管理に手間がかかる。
・自分で生垣の管理ができない場合、ランニングコストが必要。
・管理不備だと景観の悪化や枯れてしまったり、害虫発生の問題がある。
自分で生垣の管理ができる方、あるいは、庭師に生垣の管理を依頼できる方以外は慎重に生垣を考える必要があります。
植物による目隠し対策のまとめ
大きく成長する木や生垣の維持管理には手間と費用がかかります。
30代の頃、物事を深く考えずに目隠しと景観づくりを兼ねて庭に植樹すると、将来的に大きく成長した木を前にして手に負えなくなります。
木の手入れが好きで剪定も得意な方を除き、庭に大きく成長する木の植樹は慎重さが必要です。
2020年現在、もはや一戸建て住宅の庭にシンボルツリーを植える時代は終わっています。
中長期的にプライバシー保護を考えたら、植物以外の方法でプライバシー対策をした方が明らかに手間がかからず楽なのです。
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プライバシー保護対策
南道路に面した家の住人はプライバシーの保護が気になります。多くの家はレースカーテンで対策するケースが多いのではないでしょうか。
しかし、レースカーテンは次のようなジレンマがあります。
良い←【室内からの眺望】→悪い
劣る←【プライバシー保護性能】→優れる
つまり、
・室内から眺望が良いレースカーテンはプライバシー保護性能が劣る。
・プライバシー保護性能が高いレースカーテンは眺望が悪化する。
室内からの眺望とプライバシー保護は二律背反の関係。
よって、住人は様々な種類のカーテンの中で、どこかで妥協して選ぶことになります。
プライバシー保護性能が高めのレースカーテンを選ぶと、外の様子はほとんど分からなくなります。室内はある程度の明るさは確保できるものの、レースカーテンにより閉塞感が漂う室内空間になりがちなのがデメリットと言えます。
そこで、以下のようなプライバシー保護対策があります。
・外からは室内が見えにくい、あるいは見えない
・室内から外がはっきり見える
具体的には窓ガラスにプライバシーを保護できる目隠しフィルムを施工します。
目隠しフィルム
目隠しフィルムには、遮熱ミラータイプや遮熱プライバシータイプがあります。これらのフィルムは室内から外がはっきり見えるのが特徴。
更に、遮熱効果があるため、暑く眩しい日差しをカットしてくれます。
詳細は関連記事をご参照ください。
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