浴室の窓ガラスと鏡は結露しやすく、水滴の付着と蒸発を繰り返すことで、徐々に表面にウロコ/水垢が付着します。
ホテルや温泉旅館の大浴場、スーパー銭湯、銭湯、プールなどに設置されている鏡や窓ガラスは日々、水滴と結露の付着、そして、蒸発を繰り返しています。
これが理由で、ガラスや鏡にウロコ/水垢が付着しやすく、長年、宿泊施設や大浴場の経営者を悩ませている問題。特に、温泉施設の窓ガラスや鏡に付着する水垢/うろこは頑固でなかなか取れないこともあり、除去作業の難易度が高まります。
では、ガラスや鏡にウロコ/水垢が付着してしまう理由、そして、逆転の発想でウロコの付着を予防、防止する対策を解説します。
悩ましいガラスや鏡のウロコ/水垢問題

全国各地の温泉旅館の泉質は含んでいる成分が異なり、ガラスや鏡に付着する汚れは場所によって異なります。
ホテルや温泉施設の大浴場のガラスがウロコで汚れてくると、窓越しに見える雄大な大自然の景色が霞んでしまい、ホテルや温泉旅館のブランドと付加価値が問われてしまいます。
よって、 ホテルや温泉旅館の大浴場は定期的なメンテンナンスが必須。
特に、温泉はカルシウムやマグネシウムイオン、ミネラル成分等の温泉成分を豊富に含んでいます。これらが頑固なウロコ/水垢の原因と考えられています。
対策として、定期的に鏡やガラスに付着したウロコ/水垢はコンパウンドや酸を使用して除去されます。なお、浴場に大理石や御影石が使われていると、酸性の洗剤を使うことができません。
ガラスの汚れ具合によっては、定期的なガラス交換(平均、4年に1回)を余儀なくされる施設もあり、メンテナンスの設備投資が経営を圧迫します。
一般家庭から商業施設の水回りの窓ガラスや鏡は水道水や温泉に含まれるミネラル成分により、どうしてもウロコ/水垢が付着してしまうのです。重度のウロコともなると、除去作業が容易ではありません。
窓ガラスや鏡にウロコが付着するメカニズム

水道水や温泉の湯は、雨水と比べてカルシウムなどのミネラル成分を多く含む特徴があります。
窓ガラスや鏡にウロコ/水垢が付着するメカニズムは下図の流れです。

Stage 1
結露や水道水、温泉の湯が鏡やガラス表面に付着。
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Stage 2
水分が蒸発。
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Stage 3
水滴に含まれているカルシウムやマグネシウム成分が結晶化。
以上のサイクルを繰り返すことで、ガラス面に結晶化したミネラル成分が堆積していきます。いわゆる、白く見えるウロコ/水垢の付着です。
水道水や温泉の湯はミネラル成分を含んでいるため、大浴場や水回りの鏡や窓ガラスにウロコ/水垢が付着してしまうのは、やむを得ない現象なのです。よって、次のようなウロコの輪廻を延々と繰り返しています。
ウロコの付着と除去の輪廻
【1】窓ガラスや鏡に水滴が付着
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【2】水滴が蒸発し、ミネラル成分が残る
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【3】【1】と【2】の繰り返しにより、ガラス面にウロコが付着
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【4】コンパウンドや酸を使用してウロコを除去
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以降、【1】から【4】の繰り返し。
従来のウロコ対策は、ガラスにウロコが付着したら除去メンテナンスの繰り返しです。
鏡のメンテナンス費用
ホテルや温泉旅館、スーパー銭湯の大浴場に設置されている「鏡」のメンテナンスコストをシミュレーションしてみます。
鏡の交換
浴場の鏡はウロコ汚れの理由で平均、4年に1回交換されているデーターがあります。浴場の鏡を20枚交換する場合、概算費用は以下の金額になります。
浴場用鏡 (SIZE:35×50cm) | 6,000円前後/枚 |
交換枚数 | 20枚 |
鏡の脱着工賃 | 23,000円 |
鏡の廃棄処分費 | 10,000円 |
交換費用の合計 | 153,000円 |
鏡のウロコ除去
ウロコ除去のクリーニング業者に依頼する場合、概算費用は以下の金額になります。
鏡のウロコ除去費用 (SIZE:35×50cm) | 3,000円前後/枚 |
除去枚数 | 20枚 |
ウロコ除去費用合計 | 60,000円 |
ウロコ/水垢の防止対策
悩ましいウロコ付着の問題を解決するには、今までの発想を転換します。逆転の発想です。
窓ガラスや鏡にウロコが目立ち始めてからウロコを除去するのではなく、ガラス面にウロコが付着しないように防止する発想です。

具体的なウロコ/水垢対策として、窓ガラスや鏡の表面に特殊な「親水性フィルム」を施工します。今までのように、定期的にウロコ/水垢を除去するのではなく、水垢防止フィルムでウロコの付着を防止する発想です。
窓ガラスや鏡に「親水性フィルム」を貼りつけて、ウロコ/水垢や結露、曇りを予防します。では、なぜ「親水性フィルム」でガラスのウロコや結露、曇りを予防できるのか解説します。
親水性フィルムのメカニズム
窓ガラスや鏡にウロコ/水垢が付着しにくくするには、ガラス表面に親水性(しんすいせい)を与えます。この「親水性」とは、水滴がガラス表面にべたっと薄く広がる性質を意味します。
親水性

親水性が高いメリット1
ガラス表面の親水性が高いと、結露や水滴の水分が薄く広がり、流れ落ちます。水の接触角が低いため、汚れとガラスの界面に水が入り、汚れを浮かせる作用があります。
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鏡やガラスに水をかけたり、スポンジなどで軽くこするだけで汚れが取れるため、ウロコ成分が凝縮しにくくなります。
親水性が高いメリット2
ガラス表面の親水性が高いと、結露しても水分が薄く広がり、下に流れ落ちていきます。これにより、窓ガラスや鏡が曇りにくくなります。
撥水性
反対に、水滴をはじく性質を「撥水性(はっすいせい)」と言います。傘や雨具に撥水スプレーを噴霧すると、雨滴が簡単に流れ落ちます。

一見、撥水性があるガラスの方が水滴が流れ落ちやすい印象を受けるかもしれません。しかし、水滴とガラスが接触している部分に汚れが集まり、水分が蒸発するとガラス面にミネラル成分が残りやすいのです。
親水性ガラスフィルムの施工後

Stage 1
窓ガラスや鏡に「親水性フィルム」を施工すると、ガラス表面の結露や水分が薄い膜状になる。
Stage 2
ガラス表面や鏡に水滴が残りにくく、ほとんど流れ落ちる。
Stage 3
ガラス表面や鏡に水垢が付きにくくなる。
親水性フィルムのメリット

ウロコ/水垢の付着防止
窓ガラスや鏡に親水性フィルムを施工することで、ウロコ/水垢の付着を防止できます。
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・窓ガラスや鏡のメンテナンスコストを軽減。
・窓ガラスや鏡の交換コストを軽減。
窓ガラスや鏡の曇りを低減
窓ガラスや鏡に親水性フィルムを施工することで、ガラス面の曇りを低減し、曇り止め効果があります。
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・ホテルや温泉旅館の大浴場からのクリアな眺望を確保。
・プールなどの様子を見るための視界の確保。
3M、親水性フィルム

3MTMの親水性フィルムは窓ガラスや鏡のウロコ/水垢の付着や曇り、結露を低減する稀有なガラスフィルム。
更に、親水性フィルムは次のメリットを併せ持ちます。
・台風の上陸時や天災発生時のガラス飛散防止
・99%以上、紫外線/UVをカット
親水性フィルムにより、水回りの安全性と肌への優しさを確保できます。
親水性フィルムの施工
・3MTM親水性フィルムは透明です。
・3MTM親水性フィルムの横幅は1,150mm。ガラス面の横幅が1,150mmを超える場合、横方向にフィルムを貼り付けていくジョイント貼り施工となります。フィルム間の隙間はわずかなため、合わせ目はほどんど分かりません。
施工価格
3MTMの親水性ガラスフィルムの参考施工価格は「15,000円/m2」。
施工シミュレーション
20枚の浴場用鏡(サイズ:35×50cm)に親水性フィルムを施工した場合、概算費用は以下の金額になります。
親水性フィルム 施工費用 (SIZE:35×50cm) | (※)2,625円/枚 |
施工フィルム枚数 | 20枚 |
基本工事代金 | 10,000円 |
フィルム施工価格 | 62,500円 |
(※)15,000円/m2×0.35m×0.5m=2,625円/枚
中度から重度のウロコ除去作業は簡単ではなく、専門業者に依頼すると相応の費用がかかります。ガラスにウロコが付いてしまったら除去するのではなく、予めウロコ付着の予防対策として、ガラス面に親水性フィルムを施工します。
トライアルのご提案
親水性フィルムの効果を実感していただくために、最初、ホテルや温泉施設などの浴場の中で、ウロコが付きやすい鏡やガラスに「親水性フィルム」を施工するトライアル採用をお勧めしております。
・数枚の鏡に親水性フィルムを施工
・ウロコが付着しやすい窓ガラス1枚に親水性フィルムを施工
フィルム施工後、一定期間、ガラス面のウロコ付着の状況をご確認ください。
費用対効果のご検証
従来のウロコ除去に要する人件費、ウロコ業者の除去費用、ガラスや鏡の交換費用と「親水性フィルム」を比較して、総合的にご勘案ください。
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