冬季のアウトドアキャンプや雪中キャンプ、釣り、屋外イベントなどのシーンで暖を取る方法として、次が挙げられます。
・カセットガス式ポータブルストーブ
・アウトドアOKの小型石油ストーブ
・薪で火を起こす
カセットガス式ポータブルストーブの中には、室内で使うことができるタイプがあります。もちろん、アウトドアOKの小型石油ストーブは室内でも使うことができます。
これらが1台あれば、インドアとアウトドアの両方で使うことができます。
そこで、世の中に暖房器具が山ほど存在する中で、当ブログページはインドアとアウトドアの両方で使える暖房器具に焦点を当て、その特徴とメリット、デメリット、ランニングコストを含めて深掘りしてみたいと思います。
シーンを問わず使える暖房器具
インドアとアウトドアのどちらでも使える暖房器具を選ぶとなると、当然、家庭用AC100V電源で作動する暖房器具は全て選択肢から外れます。
× 石油ファンヒーター
× セラミックファンヒーター
× 電気ストーブ
その点、AC100V電源不要の石油ストーブは半開放空間や屋外でも使用できます。
しかし、持ち運びができる小型石油ストーブであっても、サイズと重量、燃料の取り扱い、給油、灯油臭の問題があります。
よって、小型石油ストーブはアウトドアでは、手軽な暖房器具とは言い難いものがあります。
本体が軽量コンパクト&持ち運びが簡単でアウトドアでも使いやすい暖房器具となると、使用する燃料はガスが便利。ガスを燃料とする暖房器具はいくつかの選択肢があります。
カセットガスストーブ
カセットガスストーブの構造はシンプル。カセットボンベのガスを燃焼させ、反射板の輻射熱で暖を取る構造。カセットガスストーブはいくつかのメーカーから販売されています。
・イワタニ/Iwatani
・ニチガス
・センゴク・アラジン/Sengoku Aladdin
・スノーピーク/snow peak
etc.
カセットガスファンヒーター
・イワタニ/Iwatani
イワタニが製造販売しているカセットガスファンヒーターの商品名は「風暖/KAZEDAN」。
この暖房器具の特筆すべき点は、本体背面にファンが内蔵されているところ。この製品もAC100V電源は不要。
風暖に(※)熱電発電素子が内蔵されています。熱電発電素子は熱を電気エネルギーに変換し、内蔵ファンを回すユニークな設計です。
では、カセットガスストーブとカセットガスファンヒーターのメリットとデメリットを考えてみます。
カセットガスストーブ,カセットガスファンヒーターのメリット,デメリット
メリット
・インドアからアウトドアまで使用OK(室内では、屋内専用品を使用)
・速暖性が高い
・家庭用AC100V電源不要、電池も不要
・本体が軽量コンパクトで持ち運びがラク
・カセットボンベの入手性が高い
・冬季の災害時に最適
デメリット
・一酸化炭素と二酸化炭素を排出し、空気が汚れる(換気が必須)
・熱量は灯油系の暖房器具に及ばない
→イワタニ風暖/KAZEDANの最大発熱量:2.0kW(1,720kcal/h)
・燃焼時間が短い(スペアのカセットボンベが必須)
・ランニングコストが高い
・使用済みカセットボンベの処分が必要
メリットとデメリットを考察
この世の工業製品には、デメリットの1つや2つはあるもの。工業製品を選び、使いこなして便利で快適な生活を送るためには、ライフスタイルにマッチする製品を選ぶことが大切です。
ライフスタイルにマッチする製品であれば、デメリットはあまり気にならないのです。
某カセットガスストーブメーカーのオフィシャルサイトによりますと、屋内専用のカセットガスストーブの用途として「ダイニング、リビング、和室、防災用」と説明があります。
確かに、メーカーは屋内専用品というコンセプトでカセットガスストーブを設計している以上、そのような表現にとどまってしまうのでしょう。
もちろん、屋内専用品のカセットガスストーブであっても、アウトドアでの使用は可能です。
屋内用と屋外用のストーブを比較すると、屋内用のカセットボンベ式ガスストーブやカセットガスファンヒーターには法的な規制があります。
カセットガスストーブ、カセットガスファンヒーターを屋内使用する問題点
頻繁なカセットボンベ交換が必要
屋内用のカセットガスストーブやカセットガスファンヒーターであれば、問題無く室内で使用できます。もちろん、暖房器具は長時間の連続運転が続くため、カセットボンベの交換が必要です。
イワタニのカセットガスファンヒーター「風暖/KAZEDAN」のスペックは次のとおりです。
ガス消費量 | 約145g/h 弱運転時:約109g/h |
連続燃焼時間 | 約1時間43分 弱運転時:約2時間18分 |
※暖房の目安:木造戸建住宅~5畳、コンクリ―ト集合住宅~7畳
※温暖地を基準
暖房器具は運転開始後、しばらく強運転が続き、室内が暖まってくると弱運転に切り替えます。ガスの消費量は使用環境によって上下するため、上のデータはあくまで参考値です。
室内で「風暖/KAZEDAN」を使用すると、2時間前後でカセットボンベの交換が必要になると推測されます。
シミュレーション
一例として、朝、起床して室内で1時間、「風暖/KAZEDAN」を使用し、19:00に帰宅して23:00まで風暖を使用する場合、運転時間は合計5時間。
5時間×1/2時間につきカセットボンベ1本=2.5本
このシミュレーションでは、毎日3本のカセットボンベが必要になります。カセットボンベの交換は簡単なものの、毎日2~3回はボンベの交換が必要です。
中間結論
毎日2~3回、カセットボンベの交換が必要。
ランニングコストが高い
Amazonでカセットボンベを検索すると、イワタニとマイボンベの2つのブランドがヒットしました。価格は次のとおりです。
イワタニ、カセットガス/CASSETTE GASの価格
2,879円/12本セット(約240円/本)
ニチネン、マイボンベ/MY BOMBEの価格
1,850円/12本セット(約154円/本)
では、両ブランドのカセットボンベを比較すると、ランニングコストがどのようになるか計算してみます。
シミュレーション1(イワタニ製)
約240円/イワタニ、カセットガス/CASSETTE GAS×1本×2.5本/日≒600円/日
600円/日×30日=18,000円
風暖の1ヶ月の光熱費は「18,000円」。
シミュレーション2(ニチネン製)
約154円/ニチネン、マイボンベ/MY BOMBE×1本×2.5本/日≒385円/日
385円/日×30日=11,550円
風暖の1ヶ月の光熱費は「11,550円」。
中間結論
カセットガスファンヒーターのランニングコストは石油ファンヒーターより非常に高い。
使用済みカセットボンベの処分問題
毎日、イワタニのカセットガスファンヒーター「風暖」を5時間使用するとなると、1日あたりのカセットボンベの使用量は2.5本。
2.5本/日×30日=75本
1ヶ月あたり、使用済みカセットボンベが75本も貯まってしまいます。
自治体にもよるものの、使用済みスプレー缶やカセットボンベは「特定品目」に該当します。特定品目のゴミ回収頻度は、管理人が住むエリアでは月に1~2回程度。
よって、室内に使用済みカセットボンベが山積みとなります。
中間結論
毎月、75本もの使用済みカセットボンベのゴミ処分は非現実的。
各自治体の指定日に大量のゴミを出すと、自治体の回収業者から事業用ゴミと判断されて注意を受ける可能性も考えられます。
結論
以上のシミュレーション計算から導かれる結論はこちら。
冬季、室内でカセットガスストーブやカセットガスファンヒーターの使用はランニングコストが非常に高く、使用済みカセットボンベを大量廃棄する必要があります。
・室内でカセットガスストーブやカセットガスファンヒーターの長時間運転は不向き。
・カセットガス式の暖房器具は、脱衣所などで短時間の使用向き。
以上のシミュレーションから、カセットガスストーブやカセットガスファンヒーターは室内で短時間の使用であれば便利。
他方、これらは長時間運転する用途にメリットを見出すことができません。
ところが、アウトドアに目を向けると、デメリットがメリットに変わります。
カセットガスストーブ、カセットガスファンヒーターは屋外向き
以上のように、カセットガスストーブやカセットガスファンヒーターは室内で長時間運転すると、デメリットが目立ちます。やはり、これらのガスストーブが向いている用途は「アウトドア」。
カセットガスストーブやカセットガスファンヒーターは以下のウィンターシーンに最適です。
・ウインターキャンプ
・雪中キャンプ
・釣り
・屋外のイベントブース
・災害発生時
まとめ
カセットガスストーブやカセットガスファンヒーターは室内使用ではデメリットが目立ちます。しかし、屋外に目を向けると、これらは暖を取るための非常に便利なアイテムです。
結論
カセットガスストーブやカセットガスファンヒーターは冬季のアウトドアと災害発生時に便利。
→ 冬のアウトドア派や防災対策に最適!
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